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噛む犬の苦悩

「トリミングショップのバズ母の紹介で」とお電話をくださった


トイプードルのマロンちゃんのお母様。


「トリマーさんなどには噛まないのですが、家族の人間に噛むのです」


とのこと。


開業以来、「噛み犬の相談は多いだろう」と予想していたのですが、


意外にも少なくて驚かされます。


北海道に噛み犬が少ないのか?


噛まれている飼い主さんが諦めてしまっているのか?


どちらなのでしょうね?




電話相談の時点でだいたいの目星をつけて、とりあえずハウスを


用意してもらうようにだけお願いしました。


ご自宅にお伺いすると、私を見て吠えるマロンちゃん。


すでにシニアドッグの年齢です。


元々は娘さんの犬だったのですが、お母様のご自宅に


引き取られることになり、さらにご自宅を引越しするなど


環境の変化の中で噛むようになったとか…。


ソファの上から吠えてはいるものの、近づいてくることも


なく遠巻きに見ているだけです。


マロンちゃんの気持ちを探るためにリードをつけてみると


あっという間に大人しくなりました。


ただし、フレンドリーということはなく、体は緊張している状態で


「あの、あの…好きにしてください」って感じ。


尻尾は巻いていますが噛み付く気配はなし。


主導権をとってしまえば、とてもお利口な子です。


飼い主に噛んでトリマーさんに噛み付かないのは、「主導権のあるなし」の問題ですね。


リードを持ったまま体を触ったり、お母様としゃべりながら


背中をさすったりしても全然大丈夫です。


ちょうど、一緒に暮らしているお兄様が私に「簡単に治せる問題では


ないんですよね?」と聞いてこられたので、「はい、飼い主さんに


変わってもらうしか…」とお答えしました。


マロンちゃんは根っからの「攻撃犬」ではありません。


自分にとって嫌なことをされた時に我慢できなくて「噛むことで解決」を


してしまった犬です。





根底にあるのは「我慢、あきらめを教えていなかった」という点。


我慢できないから「噛んで」みたら許された。


だから「噛んで」解決しちゃえ!


ってパターンですね。





マロンちゃんの居住空間を見渡すと、マロンちゃんの安全地帯が


なく、生活空間はすべて飼い主であるお母様と共有です。


必ずしも共有することが悪いことなのではありませんが、


マロンちゃんのような性格の犬であれば、「犬の空間」を


作って、そこで穏やかに過ごさせてあげる方が双方にとって


メリットがあるはず。


実は我が家でも、飼い主と空間を共有している犬とハウスで


過ごす犬で分けています。


長女犬は完全フリーで寝るときもベッドで一緒に寝ていますが、


次女犬は完全フリーにすると情緒不安定になり自分からハウスに


入って落ち着きたがるからです。


次女犬をベッドに連れていって一緒に寝ようとしても


気づいたらリビングに戻っていることもあるのです。


次女犬にとって「人と犬のスペース」がとても気になるようで。





話をマロンちゃんに戻します。


人間とスペースを共有しているマロンちゃんですが、寝るときも


お母様の布団で寝ているそうで、あるとき、布団から移動させようと


してお父様をがっぷり噛んだとか…。


マロンちゃんにとって「共有スペース」が「マロンちゃんスペース」に


変わってしまったのですね。


ハウスを用意してもらいたかったのですが、当日に間に合わなかった


とのことでしたので、ダンボールにマロンちゃんの匂いがついた毛布を


敷いて簡易ハウスを手作りして、ハウストレーニングの入れ方を


レクチャーしました。


娘さんと暮らしていた頃はハウスで大人しくしていたそうなので


ハウスが嫌いなわけではないと思います。


犬の「安全地帯」を取り上げてしまっているので


マロンちゃんが「人間側スペースに近づきすぎた」のですね。


私の前ではおやつも食べられないマロンちゃんなので、ハウスに


入れるのには苦労しましたが、なんとかハウスの中でじっとしている


姿をお母様に見てもらい、続きはお母様の宿題にしました。




続いて、共有スペースを譲るトレーニング。


お母様がソファに座ればすかさずその横を陣取ろうとするので、


「おりて」のコマンドで降りる練習です。



本当はソファを犬禁止にして欲しいところですが、


お母様がマロンちゃんとソファでゴロゴロすることを


とても楽しんでおられるそうなので、「人間の意志でおろすことの


大切さ」を、飼い主さんに理解してもらいました。


そして、お母様とマロンちゃんの接し方について注意させてもらいました。


マロンちゃんはお母様が呼んでもいないのに勝手に膝に手をかけたり


乗っかったり自由自在に過ごしていました。


さらに、お母様が無意識にマロンちゃんを撫でてしまっている…。


マロンちゃんから「吹き出し」が出ているとすれば、


「お母さんよ。撫でたまえ。よしよし。苦しゅうない」って感じでした(笑)。


お母様にそのことに気づいてもらい、接し方を変えてもらいますが、


お話している最中であってもお母様の手が自然と「さわさわ」と


マロンちゃんを撫でています(´д`)。


「お母様、手!マロンちゃんに従ってしまってる!」と


何度も声をかけましたが、長年ついてしまった癖ですねぇ。。。


飼い主の意志でソファからおろすトレーニングとお母様が無意識に


マロンちゃんを触らないトレーニングも宿題です。


「噛むから服を着せられなくなった」と言われていたので、


リードで頭部を固定したまま服を着せてみたところ、


すんなり着用!


家の中でのマロンちゃんの位置関係を整理してから、散歩にも


でかけました。


思った通り、マロンちゃんの行きたい方向に飼い主さんが


ついて行っていたので、そこも修正させてもらいました。


お母様の左側で「Jの字」リードをキープするマロンちゃんの


姿に「こんなに楽になるなんて」と感動されていましたが、


これもお母様の意志で継続しなければだめですよ~!


散歩から帰って「足ふき」の時点でやっと「マロンちゃんの本領発揮」です。



「足ふきで噛みます」と言われたので、


やってみたところ、マロンちゃんの瞳孔が「カッ」と開き、


目の色が一気に薄くなったかと思うと「般若」みたいな顔で


唸り声を上げます。


でも、噛まれないように対処していればこっちのもんでっせ。


ここで飼い主さんが怯んで足ふきを断念するから、マロンちゃんが


いい気になって噛むのです。


般若顔のマロンちゃんを横目に、鼻歌うたって足を拭いてみせました。


まだまだ、こわごわのお母様でしたが、シニアドッグになっても


「我慢、あきらめ」は大事なのです。


「嫌がるからやめる」のではなく、「嫌がってもできる」に変えることが


噛む犬への対応の第一歩ですよ。


噛まれないように対処しておけばできそうなので、足ふきは宿題ですよ~!





そして、今度は服を脱がせる段階になって、マロンちゃんの顔は


「もっとすごい般若顔」に…。


エクソシストか!とツッコミたくなるぐらいです。


お母様が横ですっかり怖がってしまったので、「こりゃまずい」と


思い、「服を脱ぎ着させるのは宿題にしないですが、いずれは絶対に


できるようにしましょうね!」と励ましました。


リードで固定したままてきぱきと服を脱がせましたが、


最後には服に噛み付いてましたわ…。





服を脱がせたあとは、普通に戻ったマロンちゃん。


散歩前は私に近づかなかったのに、散歩のあとはなんと!


私の足元で横になって落ち着き払った様子。


心も体も「主導権」に屈服したので、私の足元を選んで


横になったのです。


この理屈もお母様にお話しました。


「ただ可愛がるだけ」で犬はついてこないのです。


「私に任せなさい」と主導権を発揮してこそ、犬は従いたくなるのです。





「噛む犬を噛まなくする魔法」は、この世に存在しません。


CalmDogがお勧めする魔法は、「噛まれない飼い主さん」に


なってもらうことなのです。


「噛まれないように」と犬にビクビクして気を遣うのではないですよ。


「噛まれないように」と鬼のように暴力を振るうのではないですよ。


ただただ、「犬を従える強い飼い主さん」になって欲しいのです。


このレッスンは、「目に見えない部分」が多すぎるので、理解して


もらうのに時間がかかります。「スワレ」や「フセ」などの目に見える


行動に気を取られて忘れてしまいがちな部分を補うのがCalmDogの


レッスンなのです。






たくさんの宿題を置いて、あとはお母様の意志に委ねました。



方法はお伝えしましたが、最も必要なのは、マロンちゃんに時間を割いて


気長に頑張る「飼い主さんの根気」。


こればかりは、私の意志で育めるものでがないのです。


そして、一番伝えたかったことは、「噛む犬」は好きで噛んでいるのではない


ということ。


人間だっけ、「怒り」という感情のあとってものすごく


疲れますよね?


なにかに「怒った」あとって、すごいストレスが


残りますよね?


犬だって同じです。


マロンちゃんも唸り声をあげたり噛んだりするときは


心臓もバクバクで精神的にもすごいストレスを抱えているはず。


「我慢、諦め」があれば、そんなストレスを受ける必要も


なかったはず。。。


お母様が、「ハウストレーニングもやってみました。もう一度復習したい」と


言ってくれる日を心待ちにしていますよ♪






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CalmDog

Author:CalmDog
札幌市で開業した「Calm Dog(カームドッグ)~飼い主塾~」は、犬ではなく飼い主に向けたドッグトレーニングプランをご提案します。トレーニングは、座学「飼い主学」を学んでから。「犬」という動物を知れば、きっと素晴らしい絆が生まれます。

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