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しつけの土台(1)「飼い主さんと犬との関係性(犬時間と犬空間)」

今回は、前回のブログに登場した「犬時間」と「犬空間」についてもう少し掘り下げていきます。

CalmDog用語である「犬時間」は、

・テーブルの上に置かれた食べ物を犬が目と鼻で発見して、「それを食べている自分」を妄想した瞬間。

・散歩で他の犬を見つけて、耳がピンと立ち、上半身に力が入った瞬間。

・窓の外に飛ぶ鳥の気配を感じて反応した瞬間。

のような、「興奮レベルがまだ低いけど、何かに反応した瞬間」を指しています。

人間よりもずっとずっと感覚が発達しているので、「犬時間に間に合うように警告音を鳴らす」というのは至難の業かもしれません。でも、飼い主さんが犬語の否定と肯定を話すためには重要なことです。



私がまだ犬の仕事をしていなかった頃、とあるブリーダーさんがの7頭の大型犬を連れて散歩をしている風景を何度か見かけたので、「すごいな!」と思って声をかけたことがあります。

しかも、7頭すべて極細のリードが首からぶら下がっているだけ。

飼い主さんを中心とした半径数m以内に7頭みんなおさまって歩いており、うちの犬が横を通っても見向きもしないのです。

「特別な訓練が入っているのか?」と思って、犬を観察していたところ、ある点に気付きました。

犬に特別な訓練が入っているのではなく、飼い主さんが絶妙なタイミングで犬に声をかけたり体を動かしたりしていたのです。

7頭の犬のうち一頭が他に意識がいったら、「こっち」と声をかけたり、「行くよ」と離れてみたり、淡々と伝えている感じ。

まだ2歳ぐらいの若い犬もいたし、決しておとなしいわけではないし、むしろアクティブな犬種です。

もちろん、飼い主さんの声かけが絶妙なだけでなく、「正しい社会性」をされているからこそ、むやみやたらと他人や他の犬にちょっかいをかけないように育てておられるのもあります(社会性については後述します。まだ先になるけど)。

それよりも何よりも、「飼い主さんが犬の発する小さな興奮の芽をこつこつと摘み取ることで、大きな興奮に至らせない」といったイメージです。

図にするとこんな感じかな。

2019-01-28.png



犬が何かに反応して興奮レベルが小さく上がった時点で、飼い主さんが何かしらの警告音を出したりして興奮レベルを下げることを繰り返しているうちに、犬は興奮レベルをあげることを諦めて穏やかな状態でキープされているという感じです。


日頃から犬をよく観察していれば、小さな興奮レベルを見落とさないようになるので、犬に飼い主さんの声が届きやすくなるのですね。

飼い主さんが犬をしっかり観察して、「犬時間」で小さな興奮レベルを見落とさなければ、犬は常に冷静に飼い主さんの行動を確認するようになります。飼い主さんの行動を確認するようになることこそが、「真のアイコンタクト」を生み出すのです!


犬の耳が聞こえている冷静な状態に否定と肯定をタイミングよく伝えることで、お互いの安心感が生まれ、それが信頼関係につながるのです。


「犬時間」に否定と肯定を伝えることがいかに重要なポイントであるとわかってもらえたでしょうか?



話は飛びますが…。


先日、「今でしょ?」で有名になった林先生の番組を見ていました。
内容ははっきり覚えていなかったのですが、確か「子供のしつけ」とか「子供のやる気」などに関する話だっと思います。

ある母親の「子供がやる気になる子育て論」について、子育て真っ最中だった女性ゲストが、「でも、これをずっと続けなきゃいけないってなると大変ですよね」と発言しました。

そこで林先生が言った一言。「親が意識するしかないんです。意識して続けること。意識することこそが親のやるべきことなのです」と答えました。


まさにその通りなのです!

親になるのも飼い主になるのも同じ。

子供や犬が健全にスクスクと成長していくためには、模範になるべき親や飼い主が意識して伝え続けるしかないのです。

私のレッスンを続けてくれる飼い主さんは、飼い主の意識がぶれないように、時々軌道修正できるようにレッスンを定期的に受けてくれる方もいます。

レッスンを受けるほどでもなかった場合は、メールなどをしてくれて今の近況や「飼い主さんの心理状態」を知らせてくれます。飼い主さんの意識がずれたら犬の意識もずれてしまうのです。


意識し続けるかどうかは、飼い主さん次第!

意識し続けることで、犬との信頼関係が生まれてくるのですよー♪


続いて、「犬空間」についてです。

もし、あなたがエスカレーターに一人で乗っている時、見知らぬ人が乗ってきてあなたの真横に立ったらどう思いますか?

適度に離れて立っていればなんとも思わないのに、あまりにも近くに立たれたらなんとなく危険を感じることってないですか?

これって、人間にも本能的に残っている「空間認識」だと思うんです。

私は行動学とか心理学とかを詳しく勉強したことがないので、専門用語などはよくわかりませんが、自分が生きているうえで「なんとなく嫌だな」とか「なんとなく気分がいいな」とかってありますよね。同じ動物としてそれを犬にも当てはめながら色々と考えながら、「あー、それわかるわかる」と飼い主さんが理解しやすいように話しています。


野生を失った人間でも本能的に感じる空間認識なので、感覚の鋭い犬はもっともっと敏感に空間を認識している、さらに空間の取り方で会話をしているように感じています。

犬同士が喧嘩をする前触れって、相手の空間をさりげなーく押し合いながら唸っていますよね。

犬同士で相手を遊びに誘いたい時って、伏せた姿勢からエビのように後ろに下がっていきますよね。

犬って、「相手の間合いを詰める」ことで相手を否定し、「相手から下がって空間を空けてあげる」ことで相手にウェルカムな肯定を伝えながら会話をしているのだと思います。


私が犬に課目訓練を入れる時って、まず最初に犬と向かい合って後ろ歩きをしながら「おいでおいで!」と空間を空けながら犬を自分の方に集中させることから始めます。他の事が気になっていた犬も、後ろ歩きをしながら呼び込んでやるとだんだん「こっちの方が面白そう!」と尻尾を振りながらついてくるようになります【犬空間を空けることで強い肯定を伝える】

逆に、自分の犬が他の犬に対して攻撃的に吠えかかった場合は、すぐに自分の犬の前に立ちはだかってリードでコントロールをしながら空間を奪いつつ後ろに下がらせます【犬空間を攻めることで強い否定を伝える】

犬にわかりやすいように、犬空間を攻めたり空けたりしながら「否定」と「肯定」を伝えているのです。


「犬時間」と「犬空間」を意識しながら、犬語で「否定」と「肯定」を上手に伝えられるようになれば、「この人、わかりやすい!」と犬が感じてくれるようになり、そこから信頼関係が生まれてくるのです。


ところが!「犬時間」と「犬空間」には個体差があります!

人間にも様々な性格の人がいるのと同じですね。

私は初回カウンセリング時に、その犬が持つ「犬時間」と「犬空間」の認識を見極めています。

例えば、とってもすばしっこくて、小さな音に反応して吠えやすい。他人に触られることが苦手な犬は、「犬時間が早い。犬空間の許容範囲は狭い」と判断しながらその犬と接します。

犬時間が早いのであれば、それより早く対応できるように事前にリードをつけるとか、犬空間の許容範囲が狭いのであれば、私の存在に慣れるまではいきなり近づいたり頭を触ったりすることを最初は避けるようにするなど、「どうすればこの犬に犬語で話しかけやすいか?」を検討します。

ジャーマンシェパードやドーベルマンなど、警備犬などに使えるよう改良されてきた犬種は、「犬時間が早いから、ハンドラーのコマンドに素早く反応できる。犬空間の許容範囲が狭いから、侵入者に素早く反応して吠えて知らせることができる」と説明できます。

ゴールデンレトリバーやラブラドールレトリバーはなどは、「遊び好きなので飼い主からのコマンドなどには犬時間が早いが、犬空間の許容範囲が広いので他人に触られることや侵入者に対してはのんびりとしている」と説明できます。

もちろん、同じ犬種でも個体差もあるし育て方もあるので、一概には言えませんが。

我が家のジャーマンシェパードは犬空間の許容範囲が広いので、人ごみでも平気ですし、他人が侵入してきても尻尾を振って歓迎しますし…。でもやっぱり、ゴールデンに比べたら犬時間がものすごく早いです。コマンドへの反応や、こちらからの犬語での問いかけには素早く反応しますし、動くものへの反応が素早いので気が抜けない部分もあります。

大まかに言えば、「犬時間が早い犬、犬空間が狭い犬」は一般的な生活をするのに少し工夫が必要かもしれません。

よく、「前にも同じ犬種を飼っていたけど、今度の犬は吠えるし興奮するし大変です」というお悩みを聞きます。前の犬と今度の犬では犬時間と犬空間の認識が違うのだから、飼い主さんはそれをしっかり観察して対応する意識が必要なのです。


また、同じ犬であっても、「犬時間」も「犬空間」も状況によって変わる場合があります。家ではおっとりしているのに外に出たら犬時間が早くなるとか。自宅周辺の散歩では犬空間の許容範囲が狭くなり他の犬に威嚇するのに、車で遠くに出かけたら犬空間の許容範囲は広がって他の犬が気にならなくなったり。

ご自分の犬をしっかり観察してみてください。

ご自分の犬の犬時間と犬空間を見極めて、適切なタイミングで否定と肯定を伝えてみてください。


「犬語」で話しているうちの犬たちのおまけ動画です。



おもちゃが欲しいドナちん(シェパードの子犬)とおもちゃをあげたくないシャロンの会話。

シャロンはおもちゃの前に立ちふさがって犬空間を攻めています。15秒当たりでシャロンの鼻に瞬間的にシワが寄っているのが犬時間での警告音です。ドナちんは警告音を察知しておもちゃから目を逸らしました。シャロンは「おもちゃを見るな!」と伝えています。ドナちんが飽きらめておもちゃから完全に目を逸らしたので、シャロンはおもちゃを持って立ち去りました。でも、このおもちゃはドナちんのなんですけど…。

もし飼い主が「それはドナちんのおもちゃだよ」と介入するのであれば、シャロンがおもちゃにロックオンした時点で私が警告音を鳴らしてシャロンにその場から立ち去らせるなど、三者で会話も可能です。

犬を観察して犬時間で会話をするって本当に面白いです。

この会話の積み重ねが「わかりやすい飼い主」を育み、犬を安定させて、最高のパートナーにしていくのです。


次回は、「しつけの土台(1)「飼い主さんと犬との関係性(NOの伝え方~その4)」の「④人間にしか通じない「叱る」「怒る」という概念は捨ててください。」の部分をお伝えします。


書きたいことが続々出てくるので文章があちこち飛びますが、すべてを書き尽くしたら再度読みやすいように書き直したい…できるか?頑張る。


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初めまして!関西在住のものです。

こちらのブログが好きで前よく読ませてもらっていました。久々の更新、嬉しいです!犬時間に犬空間…自分の読み込みが甘かったのか理解力が乏しいのか、よく出てくる言葉だけどどういうことなんやろう…?と疑問だったので、 今すごくスッキリです。

また、丁度今、自分の犬に対する意識や対応考え方…などを改めて見直しているところだったので、とても参考になります。

次の更新も楽しみにしています!

Re: タイトルなし

クイの飼い主さま

コメントをありがとうございます。関西の方なのですね。昨年春に明石でワークショップをさせていただきました。私は関西出身なので北海道とはまた違う大阪弁バージョンワークショップでしたよ、笑!

犬との関係は飼い主次第でどんどん良くなります。また更新しますので、ぜひぜひ読みに来てくださいねー♬
プロフィール

CalmDog

Author:CalmDog
札幌市で開業した「Calm Dog(カームドッグ)~飼い主塾~」は、犬ではなく飼い主に向けたトレーニングプランをご提案します。トレーニングは、座学「飼い主学」を学んでから。「犬」という動物を知れば、きっと素晴らしい絆が生まれます。

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