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「しつけの土台(1)「飼い主さんと犬との関係性(NOの伝え方~その4)」

さて、前回までのブログで、「犬時間」と「犬空間」を意識した否定の入れ方について書いてきました。

飼い主さんが犬の吠えなどの問題行動に直面した際に、ネットや本で調べてやり方を実行してみるものの、ちっともうまくいかないって話をよく聞きます。それは、自分の犬にあった犬時間、犬空間での否定がうまく入れられていないから「伝わっていない」のです。もし、トレーナーさんにお願いしているのであれば、トレーナーさんがどのタイミングで、どのポジションで犬に否定を入れているのかをよく観察してみてください。

北海道内の方であれば、レッスンで見極めますのでいつでもご相談ください(⇐軽く宣伝)。

さて、ご自身の犬の犬時間と犬空間を観察する意識もできたところで、もう一つの重要なポイント「④人間にしか通じない「叱る」「怒る」という概念は捨ててください」について説明していきます。

人間同士で相手に何かを伝える場合は「言葉」を使うことができます。しかし、犬に「ここで吠えられたらとても困るの」とどんなに言葉で説教しても理解してくれることはありません。

たまに、「うちの犬は話し合ったら理解できた」という飼い主さんがいます。でも状況をよく聞いていると、言葉を理解したというよりも、飼い主さんが犬時間と犬空間を自然に判断できていたりしています。そして、そのような飼い主さんにはある特徴があります。それは、「とにかく穏やかで根気強くて諦めない」ということです。


これまでのブログで、犬に否定を伝える時は、「こら!」とか「だめ!」とかの声を出さずに、金属的な警告音(舌打ちなど)を鳴らしてくださいと書いてきました。

犬の耳に届きやすい音であるという意味だけでなく、もう一つの重要な意味があります。

それは、ネガティブな言葉を発するよりも、「飼い主さんのイライラや焦りの感情が現れにくい」ということ。

吠えいる犬に感情的に声をかけてみると、余計に吠えるという経験をしたことはありませんか?

犬は相手の感情を匂いで受け取っているとイメージしてみてください。「吠えたらだめ!」と怒鳴れば怒鳴るほど、飼い主さんから焦ったイライラした匂いが出ます。犬はそれを「飼い主さんがイライラしているから、この状況はイライラした状況なのだ」と受け取って余計に吠える犬になるのです。

以前はよく、「飼い主さんが怖い存在になれば犬が言うことを聞く」と聞いたことがありましたが、「怖い存在」を「大きな声で怒鳴る」と置き換えてしまうと、一瞬は静かになっても、同じ状況になればまた吠えることを再発するだけでどんどん効果が薄れてきます。むしろ、悪化させるだけです。

「怖い存在」とは、相手が萎縮するような大きな声で怒鳴ればなれるのではありません。相手が尊重してくれるような存在になることです。犬時間でタイミングよく否定できるようになれば、「この人は冷静に先読みができるんだ。この人について行こう」と犬が飼い主さんを尊重するようになります。

「犬と信頼関係を築こう」とか「上下関係が大事だ」とか言いますが、怒鳴り上げてビビらせてくる飼い主さんのことを信頼できますか?怒鳴り上げて感情的になる飼い主を「この人は上司だ」と認めてくれますか?


私が飼い主さんに「犬に否定を入れてください」という時に必ず心がけてもらうのは、「飼い主さん自身がリラックスして。飼い主さん自身が吠えていない心理状態になって」とお伝えします。


そう。犬に否定を伝える時は、「怒り、しかり、イラつき、焦り」を込めてはいけないのです!


犬に否定を伝える時は、必ず「それ間違っていますよ。落ち着いて考えてみよう」という気持ちが最重要になってくるのです。


警告音の音の種類なんてそれほど重要ではありません。その音を鳴らす時の飼い主さんの心理状態こそがポイントなのです!


私が使っているガチャ缶を見て、「このガチャ缶が一番効果があるので、どんな素材を使っているのか教えて欲しい」と質問されます。私の鳴らす舌打ちの真似をしてくれる飼い主さんもいます。でも一番大事なのは、その音にどんな感情を乗せているかですよ~!

どんなに同じ音を出しても、イライラ、焦り、むかつきの感情がこもれば、犬にはその感情がダイレクトに伝わって余計に興奮するだけです。




そしてまた、例え話!


やんちゃな保育園児10人がおもちゃがたくさんある教室で大騒ぎしていました。

保育士Aさんが、「この子達を静かにさせてください」と言われました。

保育士Aさんは、教室を窓から覗いて気合いを入れてガラガラと開け、「うるさい!静かにしろ!」と大きな声で怒鳴り上げました。

保育園児たちは保育士Aさんの剣幕にびっくりして椅子に座りました。

保育士Aさんは、おもむろに前に立って、「はい、ではお話を始めます」と話し始めましたが、しばらくすると保育園児たちは「なんだ、もう怒鳴らないんだ。怖かったね」と再びざわざわ。仕方なく、保育士Aさんはまた保育園児たちを怒鳴りつけて、静かにさせました。


一方、同じ状況で保育士Bさんが、「この子たちを静かにさせてください」と言われました。

保育士Bさんは窓から保育園児たちの様子を見て、まずは自分自身をリラックスさせるために深呼吸。

落ち着いた気持ちでドアをゆっくりと開けて、子供たちを見渡しながら口に指を当てて「シーっ」と言い続けました。

保育園児たちはお構いなしに遊び続けます。

しかし、ここで一人の保育園児が「空気を読み」ました。

「ねぇ。静かにした方がいいんじゃない?」とお友達に提案しました。

二人が静かに座れば、他の保育園児たちも空気を読み始めて次々と座りました。

そして全員が座ったところで、「はい、よくできました!」と保育士Bさんは子供たちに肯定をしました。

時間は10分以上かかりましたが、子供たちは自分の意思で行動をし、その行動を肯定されるという経験をしました。


翌日。


保育士Aさんは昨日と同じく、教室に入るなり感情的に怒鳴りました。子供たちは昨日の経験があるので、「なんだ、また興奮しているね」といつまでも落ち着きません。


保育士Bさんも昨日と同じく、穏やかに入室して「シーっ」と穏やかな気持ちを子供たちに伝えました。子供たちは昨日よりも早く席に座って保育士Bさんからの「肯定」を気持ちよく受け取りました。


AさんとBさんは、「どんな感情をのせて否定を伝えるか」が違っているのです。

さらに、保育園児が自分の意思で座ったのかどうかにも違いがあります。

人間に例えたので、実際はもっと複雑(その子の親との関係とか家庭環境)かもしれませんが、皆様が「感情的な否定はその場しのぎにしかならない」を理解してもらいやすいように、あえて保育園児を例にしてみました。


人間と犬を一緒にしたら怒られるかもしれませんが、「相手に否定を伝える」という時に感情的になるのではなく、「穏やかな匂いを発しながら同調させる」方が時間がかかっても心の中から穏やかになってくれるということです。

焦って感情的になるより、時間がかかっても犬の意思で落ち着かせるのです。急がば回れです。


大事なことなのでまとめます。


犬に対して、「吠えないで、興奮しないで、甘噛みしないで」と行動の否定を伝える際は、感情的にならず、穏やかな気持ちで「落ち着いて、その行動は違うよ、ゆっくり自分で考えて自分で答えを出してみて」と伝える意識を持ってください。

ネガティブな感情は、怒りだけではありません。

「怒り、叱り、怒る、イラつく、焦る」はもちろんですが、「自分に自信がない、周りの目が気になる、恥ずかしい、犬がかわいそう、犬に嫌われるかもしれない」という感情も匂いで伝わります。ネガティブな感情の匂いを漂わせながら否定をされても相手を信頼できるわけがないのです。飼い主さんは自信を持って堂々と否定を伝えなければ、犬には「この人、不安定」と見抜かれてしまいますよ~!


私はたまに「犬が怖い」と思う時があります。

噛まれるとか、襲われるとかの怖さではなく、「自分の心を見透かされる怖さ」です。

私がイライラしたり焦ったりすると、頭の良いゴールデンのシャロンはもちろん、繊細で飼い主の感情を読み取るジャーマンシェパードのドナちんはすぐ態度に出ます。私の顔色を窺ったり、または変に興奮したり。それに引き換え、うちの旦那は私の心理状態の変化に疎いです、笑!

そんなシャロンやドナちんを見ていると、「犬は群れの鏡だな」と思います。群れのリーダーの変化を読み取り、その変化に反応します。群れを落ち着かせようとする良い反応になればいいのですが、群れの不安定に同調するような変化を出せば、吠えや興奮が強化されて群れの安定はますます乱れます。

飼い主さんの「セルフコントロール」こそが、犬の心理を安定させるポイント。飼い主さんへの依存が強い犬ほど、その反応が顕著にあらわれるので気を付けてください。

極端な話ですが、レッスンをしていると、飼い主さんと犬との関係が繋がっている場合の方が、飼い主さんの心理状態の乱れを犬が受け取りやすくなり、吠えや興奮に繋がりやすいような気がします。

カリスマドッグトレーナーとして有名なシーザーミランは「喪中に新しい犬を迎えないでください」とよく言っています。家族や飼い犬の喪中など、家族(群れ)のエネルギーが下がっている時に新しい犬を迎えると、その犬は群れの不安定に気づいてどんどん不安定になってしまうそうです。なんかそれ、わかるような気がします。


犬は家族(群れ)の不安定を言葉ではなく匂いで感じるから、犬に嘘をつけないのです。


「感情的な否定」について、今後のブログで「ドナちんの車載トレーニングの失敗例」で書いておこうと思うので楽しみにしててくださいね~。


さぁ、大事なことなのでもう一度書きます。


否定に乗せる感情は「お・ち・つ・い・て」。


次回は、「NO(否定)」の反対である「YES(肯定)」の効果的な伝え方について書きます。


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Author:CalmDog
札幌市で開業した「Calm Dog(カームドッグ)~飼い主塾~」は、犬ではなく飼い主に向けたトレーニングプランをご提案します。トレーニングは、座学「飼い主学」を学んでから。「犬」という動物を知れば、きっと素晴らしい絆が生まれます。

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