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「しつけの土台(1)「飼い主さんと犬との関係性(YESの伝え方~その2 犬時間と犬空間)」

前々回のブログでは、「否定1割、肯定9割。肯定のチャンスを掴んで正解を教えていきましょう」というお話をしました。

「NO(否定)の伝え方」の時に、犬時間での否定が効果的であるとお話しましたが、「YES(肯定)」にも犬時間と犬空間があります。


犬は今この瞬間の出来事を考えています。

未来を心配したり、過去を悔んだりせず、今この瞬間を生きているのです。


だからこそ、「YES(肯定)」を伝える時は、犬に合ったタイミング(犬時間)で伝えてあげて欲しいのです。

「YES(肯定)」のタイミング(犬時間)は、「犬がその行動をしよう思った瞬間」です。

例えば、犬を呼んでおやつをあげようと思っている場合、「おいで」のコマンドに従った犬を「そうそうそう!」と肯定するタイミング「犬時間」はいつでしょうか?


(1)「おいで」のコマンドに振り向いた時

(2)駆け寄ろうとしている時

(3)手元まで来たとき


飼い主さんに質問すると、「手元まで来たとき」と答える方が多いですね。

残念!

(2)の「駆け寄ろうとしている時」にこそ、「そうそうそう!それ正解!かちこい!てんちゃい!」と穏やかに肯定してあげてください。

それはなぜか?

犬が「おいで」のコマンドを聞いて、振り向いた時はまだ行動をしていません。

駆け寄ろうとしている時は、頭の中で「飼い主さんにおやつをもらっている自分」を頭の中で妄想しているので、その妄想に対して「そうそうそう!それが正解!」と伝えて強化しているようなイメージで「肯定」を入れるのです。

手元にきてからおやつを食べさせている段階では「偉かったね」と小さく声をかける程度で。

「手元でしっかり肯定した方がいいんじゃないの?」と考えてしまうかと思いますが、手元まで来た犬は「おやつを食べたらまた遊びに行こう」と次の事を妄想しているので、肯定のポイントがずれてしまうのです。



「伏せ」とか「座れ」、「ハウス」のコマンドを教える時に肯定するタイミング(犬時間)も同じように考えてみましょう。

「座れ」/コマンドを聞いて座ろうと腰をおとしかけぐらいに「そうそうそう」

「伏せ」/コマンドを聞いてお腹を地面につけようとしたぐらいに「そうそうそう」

「ハウス」/コマンドを聞いてハウスに向かって歩き出した瞬間に「そうそうそう」

※コマンドを理解している犬の場合はまた考え方が異なります。
上記は「コマンドを教えようとする過程」でのタイミングです。



もし、おやつを与えるのであれば、

「座れ」/「そうそうそう」の後に完全にお尻を地面につけている状態に対しておやつを与える

「伏せ」/「そうそうそう」の後に完全にお腹を地面につけている状態に対しておやつを与える

「ハウス」/「そうそうそう」の後にハウスに入って反転してドア側に顔を向けた状態に対しておやつを与える


これが、犬時間での「YES(肯定)」です。

犬が頭で妄想した時が犬時間。

そのタイミングを逃さないように意識しながら正解を伝えてあげてください。

日常の行動を例にするとしたら、トイレに向かって歩き、トイレトレーの中で排泄をしようとうろうろしている瞬間に「そうそうそう」と肯定すると、トイレの認識が強くなります。

ベッドでリラックスしようとベッドに近づいてクルクル回り始めたら「そうそうそう、リラックスね」と肯定します。

人間時間であれば、その行動を完結した時に「よくやった」と肯定しても間に合いますが、犬の場合は、それだと遅すぎてしまうのですよ~!

日常生活や基本訓練だけでなく、私はやっている足跡追及訓練や臭気選別訓練などの高等訓練を教える過程でも犬時間のタイミングと犬空間を考えて肯定していくことで正解を強化しています。

日常生活も基本訓練(座れ、伏せなど)や高等訓練も、「否定と肯定をタイミングよく伝えていく」という犬語の基本はみんな同じなのです。


「YES(肯定)」に「犬時間」が関係しているだけでなく、もちろん「犬空間」も多いに関係しています!

先ほどの「おいで」のコマンドをもう一度題材にしてましょう。

(1)「おいで」と声をかける

(2)犬が振り返る

(3)駆け寄ってきたので「そうそうそう」と犬時間で肯定を入れる

(4)「そうそうそう」と同時にどんどん後ろ歩きをして犬空間を空けてウエルカム状態を作る

(5)手元まで来たからおやつをあげる。



「NO(否定)」では、犬空間を攻めたので、「YES(肯定)」では犬空間を空けてウエルカム状態を作るのです。



犬時間と犬空間については、

しつけの土台(1)「飼い主さんと犬との関係性(犬時間と犬空間)」

http://calmdogkainusijyuku.blog.fc2.com/blog-entry-264.html

をもう一度読みなおしてみてください。



うしろ歩きをしながら人間空間を空けて犬空間を受け入れてやることで、「より強い肯定感」が伝わるというわけ。


「犬時間と犬空間」の認識って、最初は訓練士さん犬と遊んでいる光景を見ながらぼんやりと感じていたことでしたが、ある日、シャロンとヴィエナが遊んでいる光景を眺めていると、攻めたり下がったりを繰り返しながら上手にはしゃいでいる姿を見ていて、「犬を真似したら犬語を話せる!」と思いました。

相手が嫌なことをしたら前に攻めて否定し、否定されたら後ろに下がって否定を受け入れる。

相手が後ろに下がって誘ってきたら肯定だから遊びにのっかる。

これが、うまくできない(空気を読めない)犬だと、一方的に相手の犬空間をぐいぐい攻める一方で、嫌われてしまうのです。

多頭飼いをしていて、「一方の犬は嫌がっているのにしつこくする状態をどうすればいいか」と悩んでいる飼い主さんがよくいます。年齢の離れた犬同士によくみられる現象ですね。

「犬同士に上下関係を決めさせる」なんて、とんでもないですよ~!

多頭飼いの場合、犬同士に上下関係は必要ありません。

リーダーである人間が犬達の生活を安定させる努力をして、犬達は与えられた安定した生活の中で仲良く平等に生きることで群れに属する幸せを感じられるのです。

若いドナちんがハイシニアのシャロンにぶつかっていった時は、私は迷わずドナちんの犬空間をお風呂の蓋で攻めてシャロンを守ります。

シャロンが嫌がっているのに空気を読めずに犬空間を攻めたドナちんを私が「下がりなさい」と否定したのです。

逆にドナちんがまだ小さかった時に、シャロンが「おまえは誰だ!」とドナちんを転がした時には、シャロンの犬空間を私が攻めました。

迎え入れた新しい仲間を「ドナちんは群れの仲間だ」とリーダーである私がシャロンに認めさせるのです。



シャロンはエールとヴィエナという年齢が近くて穏やかな姉犬二頭とヌクヌクと育てられてきました。

年齢が大きく離れたハイパワーなドナちんに犬空間の礼儀を教えるには、シャロンはもう年を取りすぎているので、私が率先して教えているのです。

ハイシニアでゆったりのんびりしたシャロンに対して、ドナちんがしつこい振る舞いをしたら私の警告音が連打されるので、今のドナちんはすっかりわきまえて、警告音に従って落ち着くようになりました。



カームドッグの「犬語」のうち「YES(肯定)」と「NO(否定)」の考え方は、我が家の犬達が教えてくれたのです。


次回のブログでは、「YES(肯定)を伝える際のポイント」について書いてみますね。


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CalmDog

Author:CalmDog
札幌市で開業した「Calm Dog(カームドッグ)~飼い主塾~」は、犬ではなく飼い主に向けたトレーニングプランをご提案します。トレーニングは、座学「飼い主学」を学んでから。「犬」という動物を知れば、きっと素晴らしい絆が生まれます。

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